管理栄養士の足立香代子先生は、暑い時期の高血圧リスクについて、こう話します。
「冷房のきいた室内と高温の屋外との気温差、あるいは日々の激しい気温の変化は、血管にストレスを与える原因になります。また、暑いと大量の汗をかいて脱水状態になり、血液がドロドロになって血栓ができやすくなっています。こうした状況が重なるため、暑いさなかの脳梗塞や心筋梗塞のリスクは、冬に比べて決して低いとは言えません。とくに普段から血圧が高い人は注意が必要です」
※1 参考 日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン作成委員会/認定NPO法人 日本高血圧協会/NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML編集「高血圧の話」
食を楽しみながら血圧をコントロールする3つのコツ
血圧コントロールの基本は、なんといっても減塩です。日本人の食塩摂取の平均値は10.0g。この10年間で減りつつあるとはいえ、世界保健機関(WHO)が定めた食塩摂取目標である1日5gのなんと2倍!厚生労働省が定めた目標量、成人男性8.0g未満、成人女性7.0g未満もオーバーしています(※2)。
減塩の大切さはわかってはいても、味が薄いのは味気ない……。そこで足立先生に、ストレスなく減塩するコツを教えてもらいました。
1.調味料の容器にひと工夫
しょうゆ差しやソルトミルを使うとき、ついクセでたっぷり振りかけてしまうことはありませんか?しょうゆ差しは注ぐタイプからスプレータイプに、ソルトミルの中身は半分をハーブやスパイスなどに変えると、使用量を減らすことができます
2.味付けは表面だけに
舌は表面の味を感じやすいので、中まで塩分を染み込ませる必要はありません。煮物を作るときは出汁で煮込み、最後にしょうゆなどをプラス。肉じゃがなどは最初に素材を炒める、少し冷めてから味付けするなどの工夫をすると、塩分が染みこみにくくなります
3.野菜やくだものはたっぷりと!
野菜や果物に含まれるカリウムは、塩分の排出をうながし、血圧を正常に保つ働きがあります。野菜は少なくとも1日350g、望ましい量は400~500g、果物は200gを目標に補給しましょう。そのためには毎食、野菜料理を2品と野菜たっぷりの汁物、果物は1日に1、2回摂るとよいですね
※2「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より
カリウム補給には含有量トップクラスのキウイがベスト!
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、カリウムの摂取目安量は成人男性2500mg(目標量3000mg以上)、成人女性2000mg(目標量2600mg以上)。
「カリウムは水に溶けやすいため、野菜は生で食べるのがおすすめですが、量が摂りきれないのが難点。その点果物は一般的に生で食べられるため、逃がさず確実に摂れ、高血圧予防には最適です。
果物の中でも、キウイフルーツはカリウムの含有量が可食部100gあたり301mg(※)とトップクラス。皮をむくだけで手軽に食べられるので、毎日のカリウム補給にぴったりです。丸ごと食べるほか、サラダなどに加えてもおいしく食べられますよ」
くわしく